放射線技師のやりがいとは?ルーチン業務に飽きた人に知ってほしい技術の奥深さ

radiological technologist
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みなさんこんにちは。

長年診療放射線技師として仕事をしていると、後輩や中堅の技師からこんな声を聞くことがあります。あるいは、態度から感じ取れることがあります。

「最近、仕事がマンネリ化してつまらないんです」

「技師の仕事って、結局ボタンを押すだけできちゃいますよね?」

もしあなたが今、そんな風に感じているのだとしたら、私の話に少しだけ耳を傾けてみてください。

タカ
タカ

私は国立大学を卒業後、大学病院で10年以上勤務しています。現在は、臨床業務と管理業務の両方を行いながら、研究や教育にも注力しています。私の長年の経験や知識を元に語らせていただきます。

数ヶ月〜数年で「一通り」はできるようになる

確かに、CTやMRIなどの検査はある程度の期間経験を積めば、「一通りのこと」は誰でもできるようになります。

例えば腹部CT。患者さんを寝台に寝かせ、手を挙げてもらい、スタート位置に寝台を合わせてボタンを「ポチッ」と押す。あとはマニュアル通り、いつもの手順をこなすだけ。撮影条件も、先輩が作成してくれたプロトコルを選択するだけで、綺麗な画像が出来上がります。

タカ
タカ

プロトコル作成は画質や被ばく、誰でもできる簡便さなどを考えて作成しています。さらには診断・読影をする医師の要望も聞き、それらを盛り込んでいくのです。

厳しい言い方をしてしまえば、これだけの作業なら、数ヶ月もしくは数日もあれば誰でもできるようになってしまいます。

小技を覚えて「簡単だ」と錯覚する落とし穴

さらに数年経つと、今度は自分なりの「小技」が増えてきます。

息止めがうまくできない、よく動く患者さんにはこのスキャン設定。腎機能が悪く造影剤を減らしたいならこの条件。特定の疾患をしっかり描出したいなら、このタイミングでこのプロトコル……といった具合に、イレギュラーな状況にも臨機応変に対応できるようになります。

ここが、実は一番の落とし穴です。

業務がスムーズに回り、周囲からも頼られるようになると、「技師の仕事って案外簡単だな」「もう全部わかったな」と錯覚してしまうのです。

そして訪れるのが、「マンネリ化」であり「技師の仕事はつまらない」という感情です。

装置の真のスペック、引き出せていますか?

しかし、本当にそれで「完成」なのでしょうか?

結論から言えば、診療放射線技術の世界はそんなに底の浅いものではありません。

私たちが日々当たり前のように使っている何億円もする高度医療機器。その装置のスペックは、あなたが「いつものルーチン」で使っている程度の機能には到底とどまりません。

少し視点を変えて、学会発表の準備や研究を始めてみてください。装置のマニュアルを隅々まで読み込み、メーカーの技術者と議論を交わしてみてください。すると、「こんな機能があったのか!」「パラメータを一つ変えるだけで、画像がここまで変わるのか!」と、まだまだ自分の知らなかった機能や可能性が山のように眠っていることに気がつくはずです。

「終わり」も「完成」もない放射線技術の世界

さらに、国内外の最新の論文を読んでみるのはいかがでしょうか。

そこには、まだ明らかになっていないこと、現在進行形で議論されている新しい撮影技術や画像再構成の理論がたくさん溢れています。

AI(人工知能)の台頭など、技術の進歩は日進月歩です。昨日までの常識が今日には覆ることも珍しくありません。「もう全部わかった」と思った瞬間から、技術者としての成長は止まってしまいます。

放射線技術に、終わりや完成はありません。

「診療放射線技師の仕事は簡単だ」と思っている人は、実は放射線技術の世界の、ほんの数%しか理解していない可能性があります。

タカ
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研究はすればするほど疑問点が増えていきます。分かっているつもりでも実は間違っていることもあります。

まとめ:マンネリの先にある「本当の面白さ」

もし今、日々の業務にマンネリを感じ、「つまらない」と思っているのなら、それはあなたが「基本をマスターした」という証拠です。そこから先は、与えられたプロトコルをこなすだけの作業者で終わるか、自ら探求し続ける「技術者」になるかの分かれ道です。

装置のスペックを引き出し、より良い画像を追求していく。その果てしない探求こそが、診療放射線技師という仕事の「本当の面白さ」であり、やりがいなのです。

明日の検査から、いつも押しているそのボタンの向こう側にある、無限の可能性に目を向けてみませんか?

タカ

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