診療放射線技師がX線撮影時に「たいへん」だと思うこと3選

radiological technologist
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診療放射線技師の仕事は簡単と言われることもありますが、一番メジャーで簡易的な検査である「X線撮影」でもたいへんなことがあります。

  • X線撮影にたいへんなことなんてあるの?
  • 一瞬で「パッ」て撮影するだけでしょ?

と思っている方もいるかもしれません。

この記事では簡単だと思われている「X線撮影」において、私がたいへんだと思うことを3つ紹介します。

タカ
タカ

私は国立大学を卒業後、大学病院で10年以上勤務しています。そんな私の知識と経験を元にお伝えします。

子どもが泣き叫ぶ

3歳以下の子どもはほとんどの子が泣き叫びます。

そして、とんでもなく暴れます。

X線撮影では、医師が依頼した部位を「決まった向き」で「動きがなくブレていない」画像を撮影する必要があります。

診療放射線技師数名もしくは家族に手伝ってもらい、押さえつけて撮影をするしかないのです。

子どもを動かないように固定するアイテム(撮影補助具)もありますが、そこに固定するまでが一苦労。

「所詮、子どもの力でしょ?」

と、思うかもしれませんが、侮ってはいけません。

子どもは必死です。

火事場の馬鹿力とはこのことでしょうか。

そんな状態でも、診断に必要な画像を撮影しなければなりません。

診療放射線技師としても技量が試される状況の1つと言えるでしょう。

ちなみに、4歳以上の子どもは泣き叫ぶことは少ないです。

もし泣き叫ぶようであれば、その子がママにべったりの怖がりの子か、撮影する診療放射線技師の技量不足(母性が足りない?)だと思います。

タカ
タカ

私は若手の頃、子どもにめちゃめちゃ泣かれて暴れられていました。自分自身がパパになってからは母性が出たのか子どもの扱いがわかってきたのか、暴れられることが少なくなりました。

立てそうもない患者の立位撮影

X線撮影では、立って撮影する「立位撮影」や寝て撮影する「臥位撮影」など、診断目的によって患者の体位が決まっています。

胸部や腰椎、腹部の撮影では「立位撮影」の場合がほとんどです。

その撮影に、「車椅子に座った高齢の方」が来ます。

患者本人や家族に立てるか尋ねると、「少しは立てます」「掴まれば立てます」と言いますが、フラフラで今にも転びそうな状態なことがあります。

その場合は、転ばないように介助しながら撮影することになります。

介助しながら、「決まった向き」で「動きがなくブレていない」画像を撮影する必要があるのです。

立つことがままならない患者を持ちながら撮影するには、かなり力を使う重労働なのです。

とはいえ、まったく立てない患者の場合は、医師に相談し臥位撮影に変更してもらうこともあります。

クレーム 若い子言われがち

「待ち時間が長い!」「なぜ何回も名前を言わなければならないんだ!」

などと患者からクレーム言われることがあります。

  • 診療放射線技師の態度が悪かったのか、
  • 診察や他の検査で気分を害されたのか、
  • そもそも病院に不満を抱いているか、

原因はいろいろです。

日本人はあまり面と向かってクレームを言うことは少ないと思います。

それでも言ってくるのは、その患者にとって「良くなく」思うことが何個も積み重なって、最終的にX線撮影のところで爆発してしまった可能性があります。

そのクレームを受けるのが、若手の女性スタッフがとても多いのです。

若手の女性にはクレームを言いやすいようで、大きいクレームだけでなく小さめの「お小言」もよくうけています。

クレーム対応は精神的にとてもたいへんなのです。

いかがでしょうか?

診療放射線技師の仕事の中で、一番簡易的と言われる「X線撮影」でもたいへんな場面というのはたくさんあります。

これはあくまでも総合病院での話であり、検診センターや小児科のないクリニックでは、あまり起こらないことかもしれません。

しかし、考え方を変えると、

たいへんな撮影や場面を乗り越えることができれば、達成感を感じることができます。

この記事が、診療放射線技師を目指す人の参考になれば嬉しく思います。

今後も診療放射線技師について発信していきますので、他の記事も見ていただければ幸いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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