これから診療放射線技師として病院で働く予定の方や診療放射線技師になりたいと考えている方にとって、病院で働く上でどんな苦労があるのか気になりますよね。
苦労することの一つとして、「クレーム患者に遭遇する」ことがあります。
- どんな原因でクレームを言うのだろう?
- クレームに遭遇したらどのように対応すればよいのだろう?
この記事ではそのような疑問にお答えします。
私は長年、診療放射線技師としてさまざまなクレーム患者に遭遇し、対応してきました。
若手のことは失敗することもありましたが、研修で学んだり、実際に多くのクレームに対応したおかげで、いまではクレーム患者に感謝されるような対応ができるようになりました。
そんな私の知識と経験を元に紹介いたします。
私は国立大学を卒業後、大学病院で10年以上勤務しています。いまは部門責任者としてプレイングマネージャーを担っています。
この記事を読むことで、診療放射線技師になってからクレームに遭遇しても上手く対応できるようになります。
対応方法がわかれば、診療放射線技師として働く上で不安なことがなくなること間違いなしです!
クレーム事例
待ち時間長い!
基本的に病院の待ち時間は長いです。
診察予約時間になってもなかなか順番が来ない、検査に行ったら1時間待ちだった、というように病院のいたる場所で患者は待たされているのです。
特にレントゲンやCTは予約検査ではない場合が多いので、待ち時間が多くなってしまうことがよくあります。
待ち時間が長いとイライラしてしまい、診療放射線技師に八つ当たりする患者もいるのです。
何回名前の確認をしたら気が済むんだ!
病院では患者誤認をしないために名前を尋ねて確認する必要があります。
病院受付でも、診察室でも、処置室で点滴してもらうときでも確認します。
放射線関連の検査でも、受付で確認し、検査室内でも確認します。
患者は1日にとても多くの回数名前を尋ねられてうんざりし、診療放射線技師にも「お小言」を言うことがあります。
クレームの原因
不満が少しずつ蓄積された
待ち時間が長い、スタッフの言葉づかいが気になる、順番を抜かされた、エレベーターがすぐ来ない、などの小さい不満が蓄積され、我慢の限界が来てしまうようです。
病院スタッフの社会性の低さ
前述の「スタッフの言葉づかい」もありますが、病院は一般的な企業に比べて社会性が低いのです。
特に患者に対して「ため口」になってしまうスタッフが多くいます。
それを不満に思う患者がいるのは当然です。
そもそも病気で機嫌が悪い
病院に来る人は、体になんらかの不調があります。
なんらかの不調があるのに機嫌がめちゃめちゃいい人はいません。
不調があるから早く原因を見つけて治してほしいと、苛立っているのです。
クレーム患者への対応方法
ひたすら傾聴、ひたすら同意
クレーム患者はあれこれ感情的に訴えてきます。
それらすべてを聴き続けるのです。このときこちらの意見は一切言ってはいけません。
さらに聴くだけでなく、患者の言うことをオウム返しのように「〇〇なんですね」と相づちを打つようにします。
すると、患者は「意見を聴いてくれている」「私の意見に同意してくれている」というように思ってくれます。
その状態まで来ると、本当に患者思っている「不満」を聴くことができます。それがクレームの根本的な理由なのです。
すぐにこちらの意見(ルールや正論)を言わない
傾聴や同意をせずに、すぐにこちらの意見を言うと、患者は「反論されている」と感じるため、さらに感情的に怒ってしまいます。
クレームを言われるとこちらもイラッとしてしまい「ルールなので」や正論を突きつけるように言いたくなります。
そこはぐっと我慢をして、一度小さく深呼吸をして傾聴するように切り替えましょう。
先輩や上司にすぐ代わる
若手のうちは患者からクレームを言われやすいです。そして、クレーム慣れしていないため、どう対応したらいいかの咄嗟の判断ができないことが多いです。
ここは早めに引き下がって先輩や上司に代わるようにしましょう。
先輩や上司はクレーム対する経験も多いことや、代わることで第三者として間に入るため冷静に対応ができます。
まとめ
患者がクレームを言う原因と対応方法を紹介しました。
診療放射線技師のなるための養成校では「クレーム対応」という授業はありません。
この記事のことを知っているだけでも診療放射線技師として働くのが楽になると思います。
医療職として働く上で「接遇」はとても大切です。
今後、診療放射線技師になっていくみなさんが良い接遇を身に付け、患者の不満がなくなることを期待しています。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
これからも診療放射線技師について発信していきますので、他の記事も読んでもらえると嬉しいです。
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