診療放射線技師として仕事をする上で、どのような特徴の人が「採用したい」と思われるでしょうか?
私は、診療放射線技師として10年以上新人さんを受け入れて指導してきましたが、彼らの成長の違いを見てわかったことがあります。
まさにそれが私の考える「採用したい人材の特徴」です。
この記事では、その「私が考える採用した人材の特徴」を紹介します。
- これから診療放射線技師として就活をする予定の人
- これから診療放射線技師を目指そうと思っている人
の参考になればと思います。
私は国立大学を卒業後、大学病院で診療放射線技師として10年以上勤務しています。そんな私の知識と経験を元にお伝えします。
チャレンジする人
何事においても「チャレンジする人」「行動する人」というのは成功すると言われています。
診療放射線技師も同じで、チャレンジ精神がある人のほうが成長が速いのです。
X線撮影を例にあげると、X線撮影では「撮影の手順」「骨の解剖」「装置の操作方法」などのマニュアル化できる技術と、「患者の誘導方法」「肉眼で見えない骨の位置や向きの把握」「体型に合わせたX線量の調整」など経験から身につく技術を習得する必要があります。
後者は、「どれだけ経験したか」が重要になってきます。
「自信がない」「1度しかやったことがない」などと言い訳をいい、チャレンジしないとできるようにもなりません。
どんどんチャレンジしていっぱい経験する人が、成長が速く、採用したい人材です。
体育会系の人
診療放射線技師は、ハキハキとしていて、体力がある人に向いています。
病院職員というのは、患者に対して医療のサービスを提供する接客業のようなものです。
ハキハキとしていて返事や挨拶が気持ちいいと、患者の満足度も上がります。
診療放射線技師の仕事内容においては、「患者を支えたり持ち上げたりする」「大きなX線装置を運ぶ」「1日中歩き続ける」というように体力を使う内容も多くあります。
例えば、病棟での「ポータブルX線撮影」は、
- 移動型のX線撮影装置を病室まで運ぶ
- 検出器(X線を受け取る板状のパネル)を患者を持ち上げて背中の下に敷く
- 患者を検出器の”いい位置”に傾きのないように調整する
というようにかなり重労働で体力が必要になります。
体育会系の人のほうが、よりスピーディにより安全に検査を行うことができるため、採用したい人材といえます。
体力がなければ診療放射線技師として仕事ができないわけではありません。女性や力がない人でも活躍する仕事内容もたくさんあります。
コミュニケーションができる人
どんな職業でも大切なことではありますが、やはりコミュニケーションができることは診療放射線技師として必要な能力です。
「コミュニケーションができる」とは、「話がうまい」とか「想いを伝えられる」ということではなく、「”伝わる”コミュニケーションができる」ということです。
診療放射線技師は、患者に検査の説明することが必ずあります。
その説明が伝わっていなければ、検査をスムーズに安全に行うことができないのです。
特に患者の半数以上が高齢者です。
こちらから一方的に伝えるだけでは、絶対に理解しれもらえません。むしろ理解できるわけがないのです。
診療放射線技師として、伝わるコミュニケーションができる人は、採用したい人材です。
話し下手の人でも、検査説明が上手い人はたくさんいます。逆に話し好きの人は、一方的に速いペースで説明する傾向があり、伝わっていないこともあります。
自己研鑽をする人
教科書を読み直す、習ったことを復習する、学会に参加する、論文を読む、研究をする、というように自己研鑽をする人はどんどん成長していくため、採用したい人材です。
診療放射線技師の仕事は、自己研鑽をしなくても、最低限はそのうちできるようにはなります。
ただし、”一人前”になれるまで時間がかかります。”一人前”になるまで、先輩のだれがついていなければいけなかったり、検査の質が低かったりするため、一刻も速く”一人前”になってほしいのです。
新人さんの中には、「自己研鑽は残業代が出ないからやりたくない」とか「教わったことがないことはできないし知らない」と言っている人がいるそうです。
給料をもらうということは、診療放射線技師という「プロ」なのです。
それができない・やりたくないというのは、給料泥棒のようなものです。
自己研鑽をして、速く”一人前”になり、その後も専門性を高めるために研究をしたり学会参加したりするような人材を採用したいです。
まれに1から10まで教えてもらうことが当たり前だと思っている新人さんがいます。それではお金を払って大学で学ぶ学生と同じです。むしろ、お金をもらっているのに、教えてもらうっていうのは学生よりも考えが甘いかもしれません。
とはいえ、今は「背中を見て学べ」「見て技術を盗め」という時代ではありません。しっかりと教育することも先輩の役割です。
まとめ
以上が、私が考える採用したい人材の特徴です。
現に、ただの現場責任者である私が直接採用試験を行うことはありません。
入社志望者は、採用試験前にほとんどの人が「見学」に来ます。
その時の良かった点・悪かった点は報告しています。とくに今回紹介させてもらった項目ができそうな人を高評価して報告しています。
近い将来、私が採用試験を担当することになったときは、なおさら今回紹介させてもらった特徴の人を採用したいと考えています。
大学の成績が良いとかテストの点数が高いことも大切なのかもしれませんが、それよりも就職後にどれだけ「成長してくれるか」のほうが大切です。
そのような人が採用されることを期待しています。
今後、診療放射線技師として就職しようと考えている方や目指そうと思っている方はこの記事を参考にして頑張ってもらえると幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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